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ラノベ部 [日常]

 個人的評価:★★★★☆(星四つ)


ラノベ部 (MF文庫J)

ラノベ部 (MF文庫J)

  • 作者: 平坂 読
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 文庫



ラノベ部〈2〉 (MF文庫J)

ラノベ部〈2〉 (MF文庫J)

  • 作者: 平坂 読
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/01
  • メディア: 文庫



「いろいろない人なんていないと思うけどねー」

 ……驚いた。いや、本当に驚いた。
 驚くくらい真っ当で真摯な話だわ、これ。

 いやまあ、タイトルからも分かるとおり、ラノベを読む部活という事で、ラノベ業界のネタ非常に多いし、元ネタを当てるという楽しみ方や「ラノベって何?」といった感じのラノベ論みたいな雑談が入っていたりと、パロディとしての要素がかなり強いんですが、話単品としてみても面白いじゃないか、これ。
 二つ名付けまくってお互いのトラウマ掘り返しまくったり、セリフを名言のように発言したりするときの美咲のギリギリ加減とか、もちろん腹抱えて笑えるという意味での面白さも凄いんですが、その中でシリアス……とはちょっと語感の違う、真摯さが凄く好きです。
 特に目的もなく雑談してるだけ、という意味ではアニメ化が決まった「生徒会の一存」シリーズと似てるところがありますが、私は断然こっちの方が好き。(まあ、生徒会シリーズは『二心』までしか読んでないのもありますが)

 個人的には竹田、美咲を始めとする二年生組が特に好き。
 特に二巻のラノベ部はじめて物語、で描写された部分は本当に印象に残ってるんだよなあ。
 まあ、ラストの『ビター・マイ・スウィート』が印象に残るのは当然すぎるので後で置いておくとしても、綾と堂島の話とか、地味に印象に残ってます。
 なんていうのかな。冒頭で引用した堂島のセリフのように、誰にだって色々あるのは当然なんですが、物語としてそれをきちんと脇のキャラまで表現してるのって凄いなあ、と思うのですよ。
 だって一巻読んだ時点じゃあ、綾も堂島も変人でしかなかったものなあ……いや、別に二巻で何が変わったわけでもないのだけれども。
 リレー小説とか相変わらず酷いし。特に綾。あれはむしろ凄い。尊敬に値する(笑
 ただ、文香、暦、竹田、美咲が主な軸となって動いてるこの作品の中で、割と脇に位置する堂島と綾が二巻で物凄く存在感増した気がするんですよね。

 そして本題の竹田君。
 まあ、作中でああなっていたことが分かった訳なんですが、それが必ずしもこれから先にも固定され続けるのかな、という事を考えると、分からないんですよね。
 そもそも竹田自身にしてみても、もう完全に振り切っているのか、それともハチクロの山田さんのごとく未だ心から血を流し続けているのかも分かりませんし。
 あれから一年が経ち、文香が現れ、お互いに影響を与えていく中で、あの二人の絆にどのように変化が訪れるのか、あるいは訪れないのかが気になりますね。
 なぜだか、美咲はああだったけれど、もし竹田が他に恋人を作った際に、美咲ではない『特別』ができた時に、美咲は耐えられるのかな、と思ってしまう私がいます。

 んで、二年生組は基本的にみんな大好きなんですが、一年生組は個人的にまだあまりしっくりこないんだよなあ(汗
 文香に関してはもう慣れましたし、吉村やリアはまだ出番が少なくてなんとも、といった感じなんですが、どうしても暦が苦手です。
 単に私が百合苦手、っていうのもあるんですけどね。
 なんだか、彼女だけまだ「ラノベ部」のメンバーだと言われて違和感が残るんですよ。
 どうしようもなく、藤倉暦の居場所は「物部文香」にしかないような気がしてしまうんですよね。
 極端な話、暦についてはラノベ部は単に『文香と知り合った場所』でしかなくて、もし今ラノベ部を文香と一緒に離れたとしても全然かわらないように思えてしまいます。
 できれば、これから先、暦には文香以外のラノベ部の誰かと交流を持って欲しいなあ、と思ってしまうのは私だけかしら。
 今、暦は文香からいろんなものを貰っていますが、二年生組だったら誰でも、暦が出せないでいるものを受け止めてくれるような気がするんですよね。
 誰かからもらうだけじゃなくて、いろんなものをぶつけられる場所、それがラノベ部の凄いところなんじゃないかなー、などと思いつつ。

 ……あ、あと雪華だけは本当に駄目です。受け付けられません……orz
 こう、雑談の中でラノベとかでよくあることに対して「ねーよ」って突っ込みを入れたりする話が多いためか、現実にかなり近い世界という印象で読んでる中にアレは引く(汗
 他のお約束が強い力を持ってる話の中で黙殺するのはともかく、ラノベ部みたいな世界だったら普通に病院に連れて行けよ、と思ってしまう私は多分狭量です。
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