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とらドラ! 10 [書籍感想]

 個人的評価:★★★★★(星五つ)


とらドラ〈10!〉 (電撃文庫)

とらドラ〈10!〉 (電撃文庫)

  • 作者: 竹宮 ゆゆこ
  • 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
  • 発売日: 2009/03/10
  • メディア: 文庫


 近所のアニメイトで既に売っていたので読了。

 このお話は、最初から最後まで「子供」の物語だったんだなあ、と読み終えて改めて思う。
 正直に言えば、竜児や大河の行動や論理に、納得がいかなかったり首を傾げたりするところも多い。
 多いのだけど……完璧に呑まれちゃったなあ。そういう冷静さなんて。

 竜児達の言ってることは、幼稚で、単純で、身勝手な論理なのかもしれない。
 現実を見ていないとは、自分達でも気づいている。気づいていて、それでも願ってる。

 でも、じゃあ子供と大人ってどう違うんだろう、と思った時、願ってる内容に違いはないのだと思う。
 大人って奴は、その願いが荒唐無稽だからと、諦めてしまうだけで。
 子供と大人の違いなんて、多分それくらいで、ほかは何にも変わりないのだと思う。

 そりゃまあ、世界平和とか誰も犠牲にならない世界とか、そんな大げさなものは確かに荒唐無稽だと思う。
 でも、竜児や大河が願ったことって、そんなに荒唐無稽なんだろうか。
 すれ違ったり、傷つけあったり、遠ざけあったり、触れ合ったり。
 その果てに、幸せのために犠牲を切り捨てるのではなく、幸せになれる場所を作り上げる道を選んだ竜児達が、なんだかまぶしく思います。

 しっかしまあ、狼と香辛料とか、個人的に五つ星つけるような作品全般に言えることなんですが、上手く言葉が出てこねえ……
 こういうのにも文才というか筆力がでるもんだなあ、と苦笑いです。

 とまあ、真面目な事を述べた後で、素直な感想。
 こっぱずかしゃー!!!

 最初に述べたように、このとらドラ!というお話は「子供」のお話な訳で、子供と大人なんて諦めてるかどうかだ、なんていいました。
 しかし……こんなこっぱずかしいことを連発されるのもある種子供の特権なのかもしれん(汗
 愛とか恋とか大好きだとか、挙句の果てにはアレですよ。
 もう、それがところどころ出てきてみてるこっちが恥ずかしいわ!

 それにしても、「とらドラ!」もこれにて終幕。
 アニメ化されたりと人気絶頂と言ってもいいような状況なので、正直新刊で最終巻と見たときは驚いたなあ。
 『人気がある=儲けになる』というのは出版社にとって最も大事な公式なので、ここで終わるとは正直思っておらず、そして嬉しい。
 人気にかまけてダラダラ続けるよりは、ちゃんと目指していた終着点へと向かってくれた方が好きです。
 これを読む前日、友人宅で「竹宮先生は漢だ!(※竹宮ゆゆこ先生は女性です)」という話をしたくらい(マテ

 にしても、こうして読み終えた衝撃が薄まってくると、やはり物足りない部分はあるなあ。
 実乃梨との感情とか、納得はしているけど理解はできない、という感じだし。
 この辺り、本編は終わったけれどスピンオフで描いてくれないかしら。

 ともあれ、3年続いた「とらドラ!」もついに完結。
 竹宮先生、お疲れ様でございました。素晴らしい物語を、どうもありがとうございます。
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